いざ、本番!② そして合格発表。
午後の試験が終了し、
試験会場から出てきた息子は、
まるで風呂上りみたいな顔をしていた。
「疲れた~!」
一日2回も受験したんだから、そりゃさすがに疲れるだろう。
でも、とても爽やかな笑顔だ。
夫と私は、何もしてないのにぐったりしている。
だから家で寝とけとあれほど。
でも、付いて来て良かった。
長い1日だった。
明日も試験があるけれど、今は何も考えたくない。
私の中でもう受験は終わった。(まだあるっちゅーに。もう耐えられない)
とりあえず、美味しいものを食べて帰ろう。
こんな小さな体で、よく耐えきったなぁ。
息子の横顔を見ているだけで、泣きそうだ。
もう合否とかどうでもいい。(いや、よくない)
とにかく早く休ませてあげたい。
電車で移動中。
スマホを睨みつける夫。
様子が、おかしい。
急に目を真ん丸に開いて、口に手を当てて。
二日酔いの朝みたいだ。
「どうしたの?」と声をかけると、
夫はスマホの画面を、
まるで水戸黄門の、あのシーンのように
私に見せた。
よく見ると、そこには
「合格です」
の文字。
え?!
午前中に受けた学校の合格発表だった。
合格?!
うそーー!!
ここは帰宅ラッシュの電車の中。
大声が出せない。
息子に見せる。
3人で目が合った。
!!!!!
喜びをどう表現していいかわからない。
嬉しすぎて、頭が真っ白になることってあるんだ。
こんなこと、生まれて初めてだった。
夫は半泣き。(コイツすぐ泣くから)
3人でがっちり抱き合った。
息子は「あー良かった!」
と、ひとしきり喜んで、電車の先頭にまたへばりついた。
息子は鉄なので、電車の先頭の景色の方が大事なのだ。
胸がいっぱいで食事が喉を通らない。
合格発表の後の生ビールは、特別に美味しかったに違いないのに、
夫も私も、なんだかふわふわしていて、よく覚えていない。
家に帰ると、疲れがどっと出た。
まだ信じられなかった。
本当に頑張ったもんね。
合格おめでとう。